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2004年12月29日

ライブの思い出

 下のエントリーを書いて知り合いのライブに行ったことを思い出した。

皆様も知り合いにバンドマンの一人や二人居ると思いますが、
ライブに誘われたことはありますか?

私にはバンドマンの知り合いが二人居て、それぞれライブに行きました。
一昨年の夏と去年の夏。
場所は大塚と新大久保の小汚くて小さな箱でした。
チケット代を払うことすらままならないので
差し入れはボルヴィックを3本くらい。

複数のバンドが出演するライブでは
ほぼ間違いなく演奏の下手な順にやります。
二回とも知り合いはトップバッターです。

間違えるだけでなく、自信がないのでへろへろの演奏。
楽器やボーカルのマイクをフルエコー、フルボリュームにしたであろう出音。
それらが混ざり合い一つの雑音として排出されていました。

チケット代と差し入れのボルヴィック代をドブに捨てた事を悔やみながら、
チャージのウイスキーをうんこ座りで飲んでいると二組目が始まります。
二組目はどこかに見所を持ったバンドであることが多いです。
ベーシストとしか形容できない顔とツルツルした帽子。
シンセ等の伴奏をMDに録音してきて鳴らすも機材の調子が悪く、
30分くらい時間をつぶした末に結局MDは無かったことにするボーカル。
メンバーの嫁がライブを苦い顔をしながら見ていたりする。
もちろん曲と演奏に聴くべきところはありません。
これらをパフォーマンスとして楽しむだけですね。

いい加減に怒りがこみ上げてきて、
客席の地面に座り込み満足げな顔をしている知り合いを
ぶん殴って帰ろうかと思い始める三組目。
小さいライブではこの辺がトリです。

機材のセッティングは自分たちだけでささっと済ませます。
機材トラブルも起こりません。
メンバーが呼吸を合わせて楽器を鳴らしたとき、
その日初めて音楽が流れ出しました。

客席もそれぞれのバンドの知り合いが15人くらいしか居なかったのに、
いつの間にかトリのバンドのファンが40人くらい入っています。
私も盛り上がり、ボーカルの客煽りに大声を出して答えます。

そんなとき、ふと知り合いの顔が目に入りました。
すばらしい曲、演奏技術、こなれたトーク、盛り上がる客席。
自分たちが出来ないすべてに対しての憧れや嫉妬が
ごちゃまぜになった表情をしていました。
その顔を見た私は何となく盛り上がったらかわいそうな気分になりましたが、
素晴らしいバンドを前にしてそんな気遣いなどすぐに吹き飛んでしまいました。
あのとき会場で沈んでいたのは一組目と二組目のバンドメンバーだけでしょう。

二回ともこんな感じです。
というか、街のライブハウスで行われるライブの9割はこんな感じだと思います。

その後連絡を断絶したので知り合いのバンドの行方は分かりませんが、
毎回天と地ほどの差を見せつけられる新人バンドの辛さは想像出来ません。
あの顔がいつまでも心に残っています。

参考リンク
2回目のライブでトリだった飛車角というバンド
オフィス飛車角

投稿者 我利 : 2004年12月29日 00:34

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